IATF 16949やJIS Q 9100の認証に向け、すぐにできる7つの準備

はじめに
この記事は、IATF 16949やJIS Q 9100の認証を取得するための準備において、以下の関心をお持ちの方に向けて作られています。
- 認証を取得するために、何を準備すればいいのかわからない。
- 審査に向けた準備の進め方が正しいか自信が持てない。。。
- 品質マネジメントシステムを構築する際の注意すべきポイントを見落としていたらどうしよう。
もしあなたがこうした不安を抱えているなら、それはごく自然なことです。IATF 16949(自動車産業向け)やJIS Q 9100(航空宇宙防衛産業向け)といった業界特有の認証を取得することで、新規顧客の獲得や生産性の向上、製品・サービスの品質向上が可能になります。しかし、初めて導入する方にとってはハードルが高く、どのように準備を進めたらよいのかわからず悩まれているケースも多いです。あなたも同じような悩みをお持ちでありませんか?
そこで、現役のIATF 16949/JIS Q 9100審査員資格を有する当社代表が、IATF 16949やJIS Q 9100の認証取得をスムーズに進めるために、すぐに始められる実践的な準備方法を7つのステップに分けて解説します。
先にまとめると以下となります。
IATF 16949やJIS Q 9100の認証取得の目的を整理し、全社的な方向性を統一します。
フローチャートなどを使って現在の業務プロセスを可視化し、品質マネジメントシステムの改善と構築が必要な箇所を見つけ出します。
プロジェクトチームを作り、認証取得に必要な人材・ツール・トレーニングを確保します。
導入・運用コストと見込まれる効果を試算し、品質マネジメントシステム導入の妥当性を確認します。
IATF 16949やJIS Q 9100の導入と認証取得に伴うリスクを洗い出し、効果的な対応策を準備します。
経営層や従業員に品質マネジメントシステム導入の意義や要求事項を理解してもらいます。
リスクを低減し目的である認証取得を達成できるよう、外部コンサルタントを活用し、効率的に準備を進めます。
当社の詳細については、「会社概要」でご紹介しておりますので、ご興味があれば併せてご覧ください。
では、ここから詳しく見ていきましょう。
STEP 1: 目標と目的を明確化する
IATF 16949やJIS Q 9100の認証取得の目的と目標を明確にすることで、全社的な方向性を統一します。
認証取得は時間やコストがかかるため、目的を共有することで社員のモチベーションと意識を高め、スムーズな導入を実現します。特にIATF 16949やJIS Q 9100は業界特有の追加要件があり、全員の理解と協力が不可欠です。
具体的な実施ポイント
- 認証取得の主な目的を整理する。
- 例: 航空宇宙産業や自動車産業の新規顧客の獲得、既存顧客からの認証取得要求への対応
- 具体的な目標を設定する。
- 例: 20XX年X月までに認証取得し、新規売り上げをX%増加させる。
- 社内ミーティングや資料を通じて目的・目標を共有し、全員が共通理解を持てる体制を構築を目指す。

あなたの会社では、「認証取得によって達成したいゴール」は何ですか? コストだけでなく、将来のビジョンを踏まえて考えてみてください。
STEP 2: 現在の業務プロセスを把握する

現在の業務プロセスを可視化し、構築と改善が必要な箇所を見つけ出します。
現状を把握することで、非効率やリスク、そしてIATF 16949やJIS Q 9100の要求事項とのギャップを明確にし、効果的な構築・改善案を導き出せます。
具体的な実施ポイント
- 各部門の業務フローをフローチャートなどにまとめる。
- 従業員からのヒアリングを実施し、課題リストを作成する。
- 不適合品の管理、サプライヤー評価、リスクマネジメントなど各プロセスの課題を洗い出す。
- プロセス改善の優先順位を設定し、解決策を具体的に計画する。
STEP 3: 必要なリソースを準備する

品質マネジメントシステムの構築に必要な人材・ツール・トレーニングを確保します。
限られたリソースを効率的に活用することで、計画的な準備が可能になります。特に専門知識が求められるIATF 16949やJIS Q 9100では、適切な人材配置が重要です。
具体的な実施ポイント
- プロジェクトリーダーを選定し、担当チームを編成する。
- 業界経験や品質マネジメントシステムの専門知識を持つ人材を起用しましょう。
- 管理ツールや教育用資料の必要性を確認する。
- 規格対応のためのツール(FMEA,APQP等)や必要な教育内容を検討します。
- リソース確保の進捗状況を定期的に確認し、準備を進める
- 教育・訓練のスケジュールを作成し、従業員のスキルアップを図ります。
STEP 4: 投資対効果を試算する
コストと見込まれる効果を試算し、導入の妥当性を確認します。
費用対効果を把握することで、経営層の承認を得やすくなり、導入計画が現実的になります。特に業界規格の認証では、詳細な試算が重要です。
具体的な実施ポイント
- 導入コスト(審査費用、社員の工数、導入費用)を見積もります。
- 追加の設備投資やサプライヤー管理費用も考慮しましょう。
- 運用コスト(年間審査費用、維持管理費)も含めた総費用を試算する。
- 長期的な視点でのコスト分析を実施します。
- 新規顧客獲得や品質改善による効果を具体的な数値で試算し、経営層に提示しましょう。
STEP 5: リスクを評価し対応策を立てる

IATF 16949やJIS Q 9100の導入に伴うリスクを洗い出し、効果的な対応策を準備します。
事前にリスクを把握し、対策を立てておくことで、導入後のトラブルを最小限に抑えられます。業界規格特有のリスク(例: 規格の要求事項が理解できていない。解釈が間違っているなど)にも注意が必要です。
具体的な実施ポイント
- 審査を通過できない、運用負荷やコスト増加などの想定されるリスクを特定します。
- 追加の設備投資やサプライヤー管理費用も考慮しましょう。
- 専門家の支援やトレーニングプログラムを活用し、リスク低減計画を実行します。
- 定期的にリスク管理計画を見直し、改善を重ねていきます。
- リスク評価の結果を基に、プロセスの見直しや改善を実施しましょう。
STEP 6: 関係者の理解を深める

品質マネジメントシステムの導入・認証取得は、単に品質部門だけの仕事ではありません。経営層や従業員に品質マネジメントシステム導入の意義を理解してもらいます。
全社的な協力体制を構築することで、導入プロセスが円滑に進みます。さらに、サプライヤーや顧客などの外部関係者との連携も強化できます。
具体的な実施ポイント
- 経営層向けのプレゼンテーション資料を作成し説明する。
- 投資対効果や市場での競争優位性を強調しましょう。
- 従業員説明会や小規模なワークショップを開催し、具体的なプロセスを共有します。
- 規格の要求事項や各自の役割を明確に伝えましょう。
- 質問や懸念に対応する窓口を設け、不安を解消していく。
- 定期的なコミュニケーションを図り、組織全体の意識を高めていきましょう。
STEP 7: 外部サポートを有効活用する
外部コンサルタントを活用し、効率的にIATF 16949やJIS Q 9100の認証取得に向けた準備を進めます。IATF 16949やJIS Q 9100は、専門用語や特殊な運用が多いため、自社だけで対応するのが難しい場合は外部の力を借りるのも得策です。
業界規格の専門家からのアドバイスは、自社で対応が難しい部分を解決し、品質向上とリスク低減に大いに役立ちます。
具体的な実施ポイント
- コンサルタントに期待する役割(システム構築支援、内部監査、ギャップ分析)を明確化します。
- 必要な専門知識や経験を持つコンサルタントを選定する。
- 品質マニュアルや業務フローや課題リストなど、事前に共有すべき情報を整理する。
- 効率的なサポートを受けるための資料準備を行いましょう。
- 定期的な進捗確認を行い、スムーズなプロジェクト運営を実現する。
- プロジェクト管理を行い、定期的な進捗報告会を行います。

業界特有の要件もあることから、IATF 16949やJIS Q 9100の導入に苦労される方を多く見てきました。一方、信頼できる外部コンサルタントのサポートで、導入を成功させている方もいらっしゃいます。“わからないところは早めに頼る” ことも重要なポイントです。
次のステージへ – 認証取得以上の価値を生み出すには

IATF 16949やJIS Q 9100の導入は「お客様からの要求に対応する」だけではなく、自社の競争優位を築く絶好の機会になります。
- 品質管理体制を整えることは、市場からの信頼獲得につながり、結果として新規ビジネスの拡大やブランド価値向上にも寄与します。
- 当社では、審査員としての視点+認証機関責任者としてのマネジメント経験を掛け合わせ、単なる手順や書類づくりだけの「形だけの認証」で終わらない「経営戦略としての品質保証体制づくり」を支援しています。
- 認証を取った“後”の運用こそ本番。継続的改善が回り続ける仕組みを作り込むことで、不具合低減・コスト削減・ブランド向上などのメリットを最大限に活かせます。
当社では、以下のような総合サポートを行っています。
- コンサルティングサービス
- 審査員かつ認証機関責任者としての経験をフルに活かし、最短・最適な認証取得とリスク最小化を支援
- 「現場にフィットした品質マネジメントシステム」の構築で、品質をコアとした競争優位を確立
- 認証取得だけで終わらず、売上向上・リスク低減・ブランド強化の三拍子を狙える包括的な品質経営サポート
- トレーニングサービス
- 「机上の理論」に偏らず、実務レベルで使える内容を重視
- 企業文化を尊重しつつ、現場力を高める人材育成プログラムを提供
- IATF 16949やJIS Q 9100への理解を深めながら、短期成果と長期的な企業価値向上を両立
- 内部監査サービス
- 現役の審査員が内部監査員としてアウトソーシング対応
- 担当者の作業負荷を大幅軽減し、外部審査での指摘リスクを最小化
- 監査員育成にも注力し、将来的に社内完結できる監査体制を構築
- サプライヤーマネジメントサービス
- 重大リスクを未然に防止し、サプライチェーン全体の品質基盤を強化
- 生産効率や納期も犠牲にせず、サプライヤーが自律的に改善を継続できる仕組みを構築
- 認証機関との連携も含め、一括でサポートし、OEM/Tier1の業務負担を大幅に軽減

戦略的に競争優位を獲得することが重要な時代です。IATF 16949やJIS Q 9100導入は“コスト”ではなく“投資”と考えて、長期的なリターンを最大化していきましょう。
当社の詳細については、「会社概要」からご覧いただけます。
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- 自社の現状把握と、必要なギャップ分析の進め方
- システム導入の具体的なイメージ
- 認証取得の手順・費用・期間の目安
- 運用定着や内部監査のサポート内容
まとめ
IATF 16949やJIS Q 9100の認証取得をスムーズに進めるため、すぐにできる実践的な準備方法を、7つのステップに分けて解説しました。
IATF 16949やJIS Q 9100の認証取得の目的を整理し、全社的な方向性を統一します。
フローチャートなどを使って現在の業務プロセスを可視化し、品質マネジメントシステムの改善と構築が必要な箇所を見つけ出します。
プロジェクトチームを作り、認証取得に必要な人材・ツール・トレーニングを確保します。
導入・運用コストと見込まれる効果を試算し、品質マネジメントシステム導入の妥当性を確認します。
IATF 16949やJIS Q 9100の導入と認証取得に伴うリスクを洗い出し、効果的な対応策を準備します。
経営層や従業員に品質マネジメントシステム導入の意義や要求事項を理解してもらいます。
リスクを低減し目的である認証取得を達成できるよう、外部コンサルタントを活用し、効率的に準備を進めます。
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