【ルール第6版対応】スムーズにIATF 16949審査を進めるポイント

はじめに
自動車産業は、日々グローバル競争が激化している市場です。その中で、IATF 16949の認証取得を求められるケースが増えています。
特に、2025年1月1日以降はIATF認証取得ルール第6版が適用され、従来以上に審査スケジュールや品質マネジメントシステムの有効性が重要視される見込みです。
例えば、こんなお悩みはありませんか?
- 顧客から認証取得を強く迫られているが、社内にノウハウを持った担当者がいない…
- ISO 9001以上に厳しいと聞くし、不適合対応の期限が短いって本当? うまくやれるんだろうか…
- コストや手間がかかるだけで、取って終わりになりそう。経営的なメリットはあるの?
- 2025年以降適用のルール第6版で何が変わるのか、実はよく分かっていない…
もしこうした悩みや疑問を抱えていらっしゃるなら、それは決して珍しいことではありません。自動車産業のグローバル競争が激化する中、取引先や顧客からIATF 16949認証の取得を求められるケースは増えています。しかし、厳しいスケジュール管理や不適合対応の短い期限などを聞くと、「本当に対応できるのか…」と不安を覚えてしまいますよね。
一方で、IATF 16949を正しく理解し、“単に取るだけ”ではなく経営戦略として品質マネジメントを活かすことができれば、売上向上・リスク低減・ブランド強化といった大きなメリットを手にできます。まさにこの認証取得は、企業の競争力を高めるチャンスになります。
そこで、自動車・航空機産業向け品質マネジメントシステムの専門コンサルタントであり、現役のIATF 16949/JIS Q 9100審査員資格を有する当社代表取締役が、審査をスムーズに進めるポイントとともに、IATF 16949認証取得ルール第6版(2025年1月1日以降適用)に準拠した最新情報への対応の要点をお伝えいたします。
先にまとめをお伝えすると、以下となります。
- IATF 16949を単に「取るだけ」で終わらせない
認証取得はあくまでスタートであり、“経営戦略としての品質”を軸に据えることで、売上向上・リスク低減・ブランド強化といったプラス効果を狙えます。 - 初回認証審査の流れと期限管理について把握する
- 審査の30暦日前までに必要書類を審査機関へ提出
- ステージ1(準備状況評価)終了後、少なくとも20暦日あけてステージ2(認証審査)を実施
- メジャー不適合の15暦日以内の是正処置計画提出や60暦日・90暦日以内の対応など、厳格なスケジュール管理が必要
- 顧客のために品質マネジメントシステムが有効的に運用されているが審査の結果を左右
- コアツール(FMEA、APQP、SPCなど)を活用したリスクマネジメントが有効に運用されているか
- 変更管理や問題解決プロセスを機能的に回せているか
- システム・工程監査を通じて不適合やリスクを早期発見・対策できているか
- 審査後も継続的に品質マネジメントシステムを改善
- 審査後こそが本番:不具合の予防や再発防止、新たな顧客要求への対応をスピーディに行う
- 経営視点で品質を捉えることで、ブランド力向上や優秀人材確保にもつながる
- IATF 16949認証取得ルール第6版では審査がより現場目線で厳しくなる一方、しっかり運用する企業には大きな成長機会が期待できます。
当社の詳細については、「会社概要」でご紹介しておりますので、ご興味があれば併せてご覧ください。
では、詳しく見ていきましょう。
IATF 16949認証を“経営戦略”につなげる意義
IATF 16949の認証を取るだけで終わらせない
「顧客に求められたから、仕方なく認証を取る」という企業は少なくありません。しかし、そのアプローチだと、認証取得後の運用負荷やコスト増に悩みやすいのも事実です。
IATF認証取得ルール第6版では、顧客志向での品質マネジメントシステムの有効性やサプライチェーン全体のリスク管理がより重視される傾向にあります。経営戦略の一環として取り入れ、運用体制を整えることで、「あの会社は品質管理がしっかりしていて安心だ」と顧客や投資家から評価され、競合との差別化にも繋がります。
認証取得がもたらすメリット(売上向上・リスク低減・ブランド強化)
- 売上向上:大手・海外顧客との取引拡大、新規顧客へのアピール強化
- リスク低減:不適合やコンプライアンス違反によるリコール・取引停止を回避
- ブランド強化:投資家や優秀人材からの信用度アップ
初回認証審査の流れとスケジュール管理の重要性(ルール第6版視点)

IATF 16949の初回認証審査は、ステージ1(準備状況評価)とステージ2(認証審査)に分かれます。IATF認証取得ルール第6版の適用後も、基本的なフローは大きく変わりませんが、追加要求事項などで細かい改訂が行われました。
ステージ1とステージ2審査の流れ
- ステージ1(準備状況評価)
- 審査機関に以下の書類を提出
- 品質マニュアル
- マネジメントレビュー、内部監査の結果
- 顧客スコアカードや顧客苦情の概要
- KPIとパフォーマンス状況
- CSRの情報 など
- 提出された書類及び組織のウェブサイトのレビューが審査員によって行われます。
- IATF認証取得ルール第6版では、準備状況の確認として単なる文書審査だけでなく、現場での操業レビューの要求が追加されました。
- ステージ1終了会議から少なくとも20暦日あけてステージ2を実施します。
- 審査機関に以下の書類を提出
- ステージ2(認証審査)
- 製造現場などで実地審査を行い、適合もしくは不適合を判定します。
- 製造プロセスの審査ではすべてのシフトに対して審査が実施されます。
- メジャー不適合があった場合
- 15暦日以内:封じ込めを含む是正処置計画を提出
- 60暦日以内:是正処置の結果を報告。
- 90暦日以内:現地での検証が行われる。
- マイナー不適合があった場合
- 60暦日以内:是正処置の結果を報告します。

IATF認証取得ルール第6版では、ステージ1の段階で準備状況をしっかりとチェックされます。『ステージ1は書類チェックだけ』ではなく、現場の操業レビューも実施することになりましたので、信頼できる専門家と共に現場運用を含めた万全の準備をおすすめします。
重要な期限と準備のタイミング
- 審査開始30暦日前までに必要書類を揃えて審査機関へ提出する。
- 期限までに必要書類を提出できない場合、審査の延期となる可能性が高まります。
- ステージ1終了からステージ2開始まで「少なくとも20暦日」となります。
- ステージ1終了から90暦日を超える場合は再ステージ1が必要です。
審査前に必須の対応(ルール第6版の要件を踏まえて)

“形だけ”の準備や内部監査を回避
IATF 16949審査の合否を大きく左右するのが、顧客リスクや顧客パフォーマンスに対して、IATF 16949が要求するシステムが有効に運用されているかです。具体的には、コアツールを活用したリスクマネジメントが適切に行われ、さらに変更管理の仕組みや問題解決プロセスが機能的に運用されているかが確認されます。

IATF認証取得ルールが第6版へ移行することで、審査はより厳格化されます。そのため、真にパフォーマンスを発揮できるマネジメントシステムを構築し、自社の不備を深いレベルで見つけて改善する仕組みを運用することがいっそう重要になります。
重要なマネジメントシステムを強化する
- FMEAなどのコアツールを有効に活用し、製品設計・製造プロセスの不具合を予防的に対応
- サプライヤー変更時や新規設備導入時のリスク管理を強化
- 不適合が発生したら、根本原因まで徹底追及し、再発防止策が本当に機能しているかを監視
「審査のための準備」ではなく、「経営視点で品質管理を高める」という姿勢が、評価されるポイントです。
質の高い内部監査でリスク箇所を明確にする
- 計画策定:監査スケジュール・範囲を設定し、関連文書(手順書・顧客固有要求事項など)を準備
- 監査実施:システム監査(リスク評価)や工程監査(コアツール活用度合い)
- 是正措置:不適合箇所の原因分析と改善策の実施
- 監査報告:マネジメントレビューで経営層へフィードバック
- 継続的改善:監査結果を踏まえ、次回の審査までに十分な“運用実態”を構築
審査のポイント(ルール第6版対応)

不一致や準備不足が招くリスク
- ステージ1(準備状況評価)で提出した文書と現場の運用にギャップがあれば「懸念事項」となり、再度、ステージ1を少なくとも20暦日以上あけて実施することになります。
- 顧客の要求事項及び関連するパフォーマンス日標を継続的に満たしているか、顧客リスク及び顧客パフォーマンス、PDCAサイクルに焦点をあてて審査が行われます。
- スケジュール延長や追加コストを回避するためにも、しっかりとした品質マネジメントシステムの構築と運用が重要です。
不適合対応とコアツール活用の重要性
- ISO 9001より厳格な不適合対応。期日に従って、以下の内容を提出して検証を受けることが必要です。
- 封じ込め処置とその有効性
- 実施された修正処置
- 方法論を使った根本原因分析。分析結果に基づく、他の製品やプロセスへの影響への考慮
- システム的な是正処置の内容と有効性の確認方法とその結果
- コアツールの運用はもちろん、顧客要求及び顧客固有要求事項に対する、顧客リスクと顧客パフォーマンス中心の審査になります。
- 日頃から工程評価とリスク管理を継続し、審査直前に慌てない体制づくりが必須です。
審査準備~認証取得後のフォローアップまで:全体イメージ
事前準備(審査計画策定前)のチェックリスト
- 組織構造、支援拠点、認証範囲などの情報整理
- 内部監査で現状の課題やリスクを先取り把握
- 審査開始の30暦日前までに必要書類を審査機関へ提出
ステージ1(準備状況評価)・ステージ2(認証審査)それぞれの注意点
- ステージ1:文書の確認だけでなく、現場での操業レビューも行われます。書類と実運用の両方を準備しましょう。
- ステージ2:メジャー・マイナー不適合への是正処置ルールを厳守。システム的な問題解決能力が必要です。
不適合対応~運用定着後のフォローアップで差をつける
- メジャー不適合は15暦日以内の是正処置計画の提出、60暦日以内に是正完了報告、90暦日以内に現地での検証が必要です。
- 自社の是正処置プロセスの有効性を定期的にチェック(過去の審査での不適合が再発していないか)
- 新たな顧客要求や市場変化に合わせて品質マネジメントシステムを更新

今回のIATF認証取得ルール第6版適用では、審査がより現場目線で厳しくなると予想しています。一方、しっかりとIATF 16949のシステムを運用している企業にとっては、ブランド価値と競争優位を高める大きなチャンスです。これまでの経験から、経営戦略として品質を捉えている企業ほど、審査後に大きな成長を実現していると感じています。
よくある質問(FAQ)
次のステージへ – 認証取得以上の価値を生み出すには

IATF 16949の導入は「お客様からの要求に対応する」だけではなく、自社の競争優位を築く絶好の機会になります。
- 品質管理体制を整えることは、市場からの信頼獲得につながり、結果として新規ビジネスの拡大やブランド価値向上にも寄与します。
- 当社では、審査員としての視点+認証機関責任者としてのマネジメント経験を掛け合わせ、単なる手順や書類づくりだけの「形だけの認証」で終わらない「経営戦略としての品質保証体制づくり」を支援しています。
- 認証を取った“後”の運用こそ本番。継続的改善が回り続ける仕組みを作り込むことで、不具合低減・コスト削減・ブランド向上などのメリットを最大限に活かせます。
当社では、以下のような総合サポートを行っています。
- コンサルティングサービス
- 審査員かつ認証機関責任者としての経験をフルに活かし、最短・最適な認証取得とリスク最小化を支援
- 「現場にフィットした品質マネジメントシステム」の構築で、品質をコアとした競争優位を確立
- 認証取得だけで終わらず、売上向上・リスク低減・ブランド強化の三拍子を狙える包括的な品質経営サポート
- トレーニングサービス
- 「机上の理論」に偏らず、実務レベルで使える内容を重視
- 企業文化を尊重しつつ、現場力を高める人材育成プログラムを提供
- IATF 16949への理解を深めながら、短期成果と長期的な企業価値向上を両立
- 内部監査サービス
- 現役の審査員が内部監査員としてアウトソーシング対応
- 担当者の作業負荷を大幅軽減し、外部審査での指摘リスクを最小化
- 監査員育成にも注力し、将来的に社内完結できる監査体制を構築
- サプライヤーマネジメントサービス
- 重大リスクを未然に防止し、サプライチェーン全体の品質基盤を強化
- 生産効率や納期も犠牲にせず、サプライヤーが自律的に改善を継続できる仕組みを構築
- 認証機関との連携も含め、一括でサポートし、OEM/Tier1の業務負担を大幅に軽減

戦略的に競争優位を獲得することが重要な時代です。IATF 16949導入は“コスト”ではなく“投資”と考えて、長期的なリターンを最大化していきましょう。
当社の詳細については、「会社概要」からご覧いただけます。
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- 「どこから手をつければいい?」
- 「本当に自社に認証が必要?」
- 「どの程度の費用・期間がかかる?」
こうした疑問を抱えた方に向け、初回30分の無料オンライン相談を行っています。
30分の無料相談で解決できること
- 自社の現状把握と、必要なギャップ分析の進め方
- システム導入の具体的なイメージ
- 認証取得の手順・費用・期間の目安
- 運用定着や内部監査のサポート内容
まとめ
- IATF 16949を単に「取るだけ」で終わらせない
認証取得はあくまでスタートであり、“経営戦略としての品質”を軸に据えることで、売上向上・リスク低減・ブランド強化といったプラス効果を狙えます。 - 初回認証審査の流れと期限管理について把握する
- 審査の30暦日前までに必要書類を審査機関へ提出
- ステージ1(準備状況評価)終了後、少なくとも20暦日あけてステージ2(認証審査)を実施
- メジャー不適合の15暦日以内の是正処置計画提出や60暦日・90暦日以内の対応など、厳格なスケジュール管理が必要
- 顧客のために品質マネジメントシステムが有効的に運用されているが審査の結果を左右
- コアツール(FMEA、APQP、SPCなど)を活用したリスクマネジメントが有効に運用されているか
- 変更管理や問題解決プロセスを機能的に回せているか
- システム・工程監査を通じて不適合やリスクを早期発見・対策できているか
- 審査後も継続的に品質マネジメントシステムを改善
- 審査後こそが本番:不具合の予防や再発防止、新たな顧客要求への対応をスピーディに行う
- 経営視点で品質を捉えることで、ブランド力向上や優秀人材確保にもつながる
- IATF 16949認証取得ルール第6版では審査がより現場目線で厳しくなる一方、しっかり運用する企業には大きな成長機会が期待できます。
IATF 16949認証取得ルール第6版の適用で審査はより厳しくなりますが、経営戦略として品質を位置付けることで、売上増・リスク低減・ブランド価値向上を同時に狙う大きなチャンスになります。
「どのように準備を進めればいい?」「自社の問題点をどこから改善すればいい?」と迷ったら、
ぜひ外部の専門家やコンサルサービスを活用し、運用を定着化させる取り組みをおすすめします。
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